「低圧連系」「高圧連系」「特別高圧連系」とは
売電するには、電力会社の電気供給設備に接続しなくてはなりません。このことを系統連系といい、低圧連系、高圧連系、特別高圧連系といいます。
<Point 1>低圧とは
太陽光発電の設備容量が50kW未満の小規模な物件。電気事業法上では小規模発電所(一般電気工作物)とみなされます。太陽光パネルとパワーコンディショナのどちらかが50kW未満なら低圧連系の物件として扱われます。
・設備容量…~50kW未満
・電圧区分…600V以下
・公称電圧…100V、100/200V、415V,240/415V
・受電設備…低圧配電線。柱上変圧器で降圧して配電
・需要家…住宅・商店
・太陽光発電の連系契約…低圧連係。単相3線・三相3線
<Point 2>高圧とは
太陽光発電の設備容量が50kW以上、2000kW未満の大規模な物件。設備容量が大きい物件の方が発電量は多く、売電収入を得られます。「高圧」の場合は発電所(自家用電気工作物)と位置づけされ、経済産業省令で定められる技術基準に適合させ、安全に維持・管理する義務が発生します。
・設備容量…50~2MW未満
・電圧区分…600V越え、7000V以下
・公称電圧…3300V,6600V
・受電設備…高圧配電線、配電用変電所から柱上変圧器まで6600V
・需要家…小規模工場・ビル
・太陽光発電の連系契約…高圧連係、三相3線
<Point 3>特別高圧連系とは
2000kW以上の設備のこと。
・設備容量…2MW以上
・電圧区分…7000V越
・公称電圧…11000V、22000V、33000V、66000V
・受電設備…送電所。2次変電所から送電線で33000-66000V
・需要家…大規模工場
・太陽光発電の連系契約…特別高圧連系、三相3線・中性点接地
※単相3線とは→一般家庭などに最も普及している配電方式
三相3線とは→電線3本で三相負荷に電力を供給する配電方式
それぞれのメリット・デメリットをご紹介!
「低圧」のメリット
◎「高圧」よりも初期投資額やランニングコストを低く抑えられる。
◎ローン審査に通りやすいため、初心者でも気軽に参入できる
◎キュービクルの購入費用などのコストが削減できる
◎保安規定の届け出などが不要のため、手続きが比較的に簡単
手軽に参入できることが何よりの魅力でしょう
「低圧」のデメリット
◎設置面積が狭いため「高圧」ほどの売電収入を望めない
◎1kWあたりのシステム単価が比較的に高い
◎50kW程度まで設置できる広さの土地は、坪単価が高いケースが多い
「高圧」のメリット
◎1kWあたりのシステム単価が比較的安い
◎発電量が多いため、売電収益が大きい
「高圧」のデメリット
◎自家用電気工作物になるので、手続きが複雑
◎高額なキュービクルを設置する必要、維持管理、管理委託などが必要となりコストがかかる
まとめ
平成26年3月31日の省令改正により、新たな認定基準として「特段の理由がないの一の場所において複数の再生可能エネルギー発電設備を設置しようとするものでないこと」が追加されました。これにより平成26年4月1日以降に到達した新規の認定申請については事実上、同一の事業地における大規模設備を意図的に小規模設備に分割するような「分割案件」は認定を行わない事としました。(※なお平成26年3月31日までに到達した新規の認定申請については、分割案件であっても認定は有効)
主として4つの問題が発生するため、これらを防止することを目的としています。
・本来、適用されるべき安全規制が実質的に回避されること
・本来、発電事業者側で手当てすべき接続に当たっての補機類の整備が、電力会社側に結果的に転嫁され、特定原因者
のための電気調金上昇を招く恐れがあること
・本来、発電事業者側で手当てすべき接続に当たっての補機類の整備が、電力会社側に結果的に転嫁され、特定原因者のための電気調金上昇を招く恐れがあること
・本来であれば、必要のない電柱や電力メーカー等が分割接続のためだけに新たに必要となること
・50kW以上の太陽光発電に課される土地および設備の270日以内の確保義務等の履行逃れに悪用される恐れがあること
分割案件に該当するか否かは、下記に沿って判断します。なお、下記に形式的に該当する場合であっても、分割によって回避される法規制の有無、社会的非効率の発生の程度等を実質的に評価し、分割案件に該当しないと判断する場合もありますのでご注意ください。
・実質的に同一の申請者から、同一種類の発電設備についての申請が複数あること
・当該複数の申請に係る土地が相互に近接するなど、実質的に一つの場所と認められること
※「分割」とは「一つの場所において複数の再生可能エネルギー設備を設置」する案件を対象としているため、低圧に分割する場合のみならず、高圧を高圧に分割するものや、特別高圧を高圧または低圧に分割する場合も含まれます。
※「実質的に同一の事業者」とは、形式的に名義が異なる場合でも、認定の申請者、発電事業者、土地の所有者等の状況を勘案し、実態として同一の事業者が事業用地を分割して行っていると思われる案件については、「実質的に同一の事業者」とします。