中古の産業用太陽光発電を購入する際のメリット・デメリット

優良物件でも中古になる理由

太陽光発電が注目された要因のひとつに「一括償却が可能で節税効果が高いこと」という点があります。このことを理由として購入した投資家は、目的が達成された後は現金化のため手放すことがあります。また、売却して得た資金を他の物件や新事業に投資するために売却するケースも考えられます。他の手放す理由として、購入した際の発電シミュレーションと大きく差が出たなどネガティブな理由から不良物件を売却しようとする場合も考えられますが、査定時に売電明細の提出や現地調査がおこなわれるため、実際に売却に至るのは難しい傾向にあります。

 

中古物件で太陽光発電を行う際のメリット

(1)すぐに売電収入が得られる

太陽光発電設備を一から設置する場合は、設置工事や連系工事といった行程を踏まなければなりません。そのため、どうしても稼働するまでには時間がかかります。この場合、仮に銀行から資金を調達して設備投資を行うと、太陽光発電設備の設置期間中も金利が発生してしまいます。しかし、中古物件を購入すればすぐに稼働できるので、発電するまでの期間を短縮し、利息を支払うだけの期間が少なくなります。

(2)物件の確認ができ、調査の手間も省力できる

中古の太陽光物件は既に発電所が完成しているので、状態をしっかり確認した上で購入できます。土地造成および排水の状態などのリスク回避や、配線の状況、架台、基礎などの仕様確認ができることは投資の確実性につながります。また太陽光発電所の開発には、場所や規模により、様々な許認可が必要になりますが、これらはすべてクリアした状態で始められます。

(3)事業計画が立てやすい

新築の太陽光発電物件を購入する場合、発電シミュレーションを基に収益の目安を算出します。これは平均日射量などから月々の発電量を割り出します。 中古・稼働済み物件の場合、実績として数値が存在しますので、より現実的・具体的な収益シミュレーションが可能となり、信用性の高い事業計画を立てることが可能となります。さらに、売電実績があることで金融機関からの融資を受ける際の査定にも好影響をもたらします。

(4)設置導入費用等が抑えられる

新規設置の際には必要となる初期投資が中古物件の場合は抑えられます。太陽光発電は、比較的高額な商品となりますので、敷居が高いと感じられる方も多いと思います。その場合、中古物件ではじめるという方法もあります。

 

中古物件のデメリット

(1)状態のチェック・メンテナンスが必要

設置から年数が経っているため劣化が見られる場合があります。場所によっては、漏水によって一部の設備が故障しているなどもあるため、現地に行き自分の目で確認する必要があります。自分で確かめることが難しい場合、第三者に依頼する方法もあります。その中で著しい劣化や故障が見られたなら、補修や修理の検討、もしくは洗浄を行い発電効率の低下を防ぐことが重要です。発電シミュレーションを行う際に過去の発電量・売電金額を参考にすることはもちろん、メンテナンス履歴・部材の交換履歴などのチェックも行いましょう。

(2)売電価格の固定価格の期間が短い

固定価格買取制度では、産業用となる10kW以上の場合、固定価格の期間が20年と定められています。中古物件の太陽光発電は、設置してから現在までの年数分、固定価格買取制度が適応されていますので、新しいオーナーが再度購入した時点ですでに「買取期間が20年以下に減っている」という点に留意が必要です。また固定価格の期間に加え、最初のオーナーからは発電した電気の買取価格も引き継がれます。

(3)節税対策にならない

中古の太陽光発電物件は、「生産性向上設備投資促進税制」が適応されず、特別償却などの対象にはなりません。償却を目的とした節税対策として太陽光発電の購入を検討する場合、中古物件は適していません。また、廃棄の際にも費用がかかるので、長く運用するためには、廃棄法、税金などさまざまな考慮が必要となります。

 


まとめ

中古物件で太陽光発電を購入する場合、より安定した収益シミュレーションと収益化まで期間の短縮が約束されている点において、大きなメリットと言えます。「不安定さ」といった意味での投資リスクを極限まで回避したい方は、しっかりとした状態確認やメンテナンスを行った上で中古物件の購入を検討されてみてはいかがでしょうか?

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