投資における利回りと相場

 
投資において、利益回収に直接関わる「利回り」という言葉。利回りが良ければ良いほど、投資額に対する回収額が大きくなっていきます。つまり、収益物件における投資とは、いかに利回りの良い物件を見つけることができるかが、ひとつのポイントになってくるわけです。利回り5%の物件と、10%の物件では、倍の時間がかかるわけですので、非常に大きなチェックポイントです。
 
今回は、そんな収益物件における平均的な利回り、相場などを、利回りという単語の説明からご紹介していきます!また、不動産投資での利回りと、他の太陽光発電投資などの利回りとも比較してみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

収益物件における利回り

収益物件を売買する際の情報で、「利回り○%の分譲マンション」などといったフレーズを見ることはないでしょうか?買い物欲を煽るような言い回しなど、不動産投資に関わるところで「利回り」という言葉は必ずと言っていいほど目にします。 また、購入する物件の条件で「利回りが最低でも◯%以上ないと厳しいです」など、利回りをひとつの基準として物件を購入される方は少なくないようです。

 
そんな収益物件、不動産投資における利回りという言葉の捉え方をまずは解説していきましょう。

 
・そもろも利回りとは何のこと?

不動産投資における利回りとは、投資額に対して収益がどの程度あるのかを測る尺度のことで、 投資額に対してどれほどの収益を得ることができるのかを見極める指標です。簡単に言えば、利回りが高ければ、その物件は投資効率が良いということになります。

 
例えば、利回り10%の物件があった場合、単純に言えばその物件を10年間運用することで投資額を回収できるということになります。

 
利回りという言葉だけを聞くと、利回りができるだけ高いような物件を選べばいいとい思われがちですが、それは勘違いです。もちろん、利回りが良ければ投資額の回収も早まり、利益も大きくなりますが、様々な種類がある不動産投資では、それぞれ相場があります。その利回り相場を大きく逸脱する物件には、何か理由があってその数字になっている可能性が高いのです。

 
不動産投資における投資効率を表す利回りは、以下の公式で計算することができます。

 
【年間家賃収入 ÷ 投資額(物件取得価格) = 利回り】

 
最初に投資する額(物件価格)に対して、年間でどれくらいの収益が出るかを示す数値なので、いわゆる金融商品などで表示されている「金利」や「利率」と同じ意味になります。例えば、金利10%の投資商品と、利回り10%の不動産物件があった場合、単純な比較ではどちらに投資をしても同じ収益が得られることになります。

 
太陽光発電投資の場合、年間売電収入が家賃収入の部分にあたります。

 
・表面利回りと実質利回り

不動産投資における利回りには2つあります。
「(年間家賃収入 ÷ 物件価格)× 100」で算出される「表面利回り」と、各種管理費や税金等を考慮して計算する「実質利回り」の2つです。この2つを一緒くたにして考えてしまわないように気をつけましょう。
 
表面利回り

表面利回りとは、管理費や維持費を計算に入れず単純に利益だけを計算したものです。売りに出されている収益物件の物件情報にはだいたい、この表面利回りが記載されています。

 
例えば、購入価格1200万円のアパートがあり、年間の家賃収入として120万円が想定されていた場合、毎月の賃料は10万円です。この120万円という価格が、物件の購入価格1200万円に対して0.1%という計算結果になるため、利回りは10%、つまり表面上は10年間で投資額を回収できる計算になります。

 
しかしこれには物件を維持するための、管理費などといったコストが計算されていません。それゆえに、表面利回りと呼ばれており、現実味のある数値ではないため、注意が必要です。

 
・実質利回り

物件を維持するための管理費などのコストを加味した利回りのことを、実質利回りといいます。ネット利回りとも呼ばれるこちらは、年間の家賃収入から、管理費や維持費などの諸経費を差し引いたものを、物件価格に購入時の登録免許税などといった諸経費を足したもので割った数字です。

 
この利回りの計算結果は、年々に変化する可能性が高いため、 不動産業者が物件の広告を行う際には表面利回りを用います。つまり、この実質利回りはあくまでも瞬間的な数値でしかありません。

 
一般的な目利きの方法としては、掲載されている表面利回りをまずチェックして、その次に実質利回りを算出してみる方法です。 実質利回りを計算することで初めて、具体的な収益がどれくらいになるのかをチェックすることができます。
表面利回り・実質利回りはそれぞれ、様々な物件を比較するときの最初の目安という程度に捉えておけばいいでしょう。

 
・利回りが高ければ高いほど良いの?

収益物件の情報を見ると、利回りが10%といったレベルではなく、はるかに高い利回りで掲載されている物件も目にします。例えば、利回り20%の収益物件を獲得すれば、早くて5年で投資額を回収することができ、利回り10%の半分の時間で利益を出していくことが可能です。

 
しかし、利回りが高いからといって良い物件だとは限らないのです。例えばいくら利回りが高かろうが、入居者がいなければ利回りどころか収益すら出ません。そうした物件の中には、長らく入居者が入っていないような物件なども多々あるのです。

 
このように利回りを高く表示することはできてしまうため、利回りが高いというだけで投資価値のある収益物件であると判断するのは危険です。

 

収益物件の相場は?

収益物件には、マンションやアパート、戸建てに太陽光発電、新築や中古など様々な種類があります。決して収益物件というだけで同じ相場ではなく、種類によって様々です。今回は物件の種類別での利回り相場と、地方と都会でのエリア別での利回り相場と、2つの観点から利回り相場を見ていきましょう!

 
・物件種類別で見る利回り相場

◯新築区分マンション
新築区分マンションは、基本的に利回りが低くなりがちです。なぜなら新築物件には、新築プレミアムという付加価値の分だけ価格の上乗せがあるからです。新築は新築であるがゆえに、物件価値が高くなってしまいます。この新築プレミアムは利回りを計算する際の分母に加算されるため、その分利回りが低くなってしまうというわけです。
新築区分マンション全体の利回り相場は、4~5%あたりを予想しておきましょう。

 
◯中古区分マンション
新築区分マンションであっても、誰かが入居した時点で中古物件となってしまいます。もちろん築浅物件なので集客力は高いですが、先ほど解説した新築プレミアムは発生しないため、その時点で中古マンション物件として売りに出しても新築時の価格にはなりません。
つまり、築浅であっても中古物件には新築プレミアムがない分、利回り計算の分母は小さくなるため、同じ家賃収入額だったとしても利回りは上昇します。
そうした点もあって、築10年未満程度の区分マンション物件であれば、相場に照らして7%の利回りぐらいでしょう。

 
◯新築一棟アパート
マンションの次に利回りを知っておきたいのは、アパート物件の利回りです。アパートの場合はマンションのように区分物件という概念はないので、基本的にすべて一棟所有になります。
一棟アパートは区分マンションと違って複数戸数を経営することになるため、家賃収入の分子が大きくなります。そのため、同じ取得価格であっても区分マンションよりも利回りが高くなることが多いのです。新築と中古の関係性はマンションと同じなので、新築一棟アパートは中古よりも利回りが若干低くなります。新築一棟アパートであれば4~6%程度の利回りが相場です。

 
◯中古一棟アパート
マンションと同じく新築より中古のほうがアパートも利回りが高くなる傾向があり、物件の購入価格という分母が小さくなる一方で、複数戸から家賃収入が入るため分子が大きくなり、中古一棟アパートの利回りは高くなります。
築10年未満の比較的新しいアパート物件だと、6~8%程度が利回りの相場になります。

 
◯戸建て物件
戸建て物件に関しては、戸建て物件を所有している方でなければ、新規に戸建て住宅を購入して不動産投資をするというケースは少ないと思われます。ですので戸建て住宅はそもそも市場流通量が少なく、利回りにもかなりのばらつきがあるのです。
一般的には10%を超える物件が多く、他の住宅と比べるとかなり利回りの相場が高いことが分かります。その理由は、物件価格の安さです。戸建て住宅物件は数が少なく、入居者の絶対数もそれほど多くはないため流通価格が安く、その一方で、戸建て住宅なので物件の質によっては家賃設定を高くしやすく、一般的な家賃を見込むだけでも10%を超える利回りが出てくるわけです。

 
最近だと、リフォームをしたりリノベーションとしたりすることで、戸建て住宅は価値を高くすることができます。空き家物件を格安で買い取り、リノベーションをして売りに出す方もいるようです。

 
◯太陽光発電
太陽光発電投資は買取期間と買取価格が決まっており、毎年の売電シミュレーションが可能なため、初期費用が決まれば、どの程度の利回りが期待できるのか、総収支がどれくらいになりそうかのシミュレーションができるのです。

 
太陽光発電の設置費用は、規模が大きくなればなるほど割安になってくるため、設置規模によって利回りも異なってきます。適正価格で適した土地に太陽光発電を設置すると、8~10%以上の表面利回りが十分に見込めます。

 
・エリアで見る利回り相場

続いて、都心と地方に分けて利回りを見ていきましょう。
全体的には都心ほど利回りが低くなり、郊外や地方ほど利回りが高くなることがほとんどです。

 
◯大都市圏の場合
もちろん物件の種類にもよりますが、大都市圏の中心部や都心部とされているエリアは利回りが最も低いエリアといっても過言ではありません。物件価格が高いため分母が大きくなり、同じ家賃収入であっても利回りが低くなってしまうからです。
首都圏内や近畿圏内など、同じエリア内であっても都心に近づくほど利回り相場が高くなり、逆に郊外の方に出るにつれて利回りが高くなります。また、人口密度によって三大都市圏でも利回りに差が出てきます。平均して5~9%程度が相場でしょう。

 
◯地方都市の場合
地方都市とは、県庁所在地や地方の政令指定都市、中核市に指定されている都市のことです。それぞれの都市圏には都心があり、投資価値の高いエリアが存在するため、利回りは5~7%程度と低めです。

 
・築年数や立地条件もきちんとチェックする

利回りだけを見ておくのではなく、他にも立地条件や築年数も考慮しておく必要があります。築年数が古い物件ほど、修繕費がかさんでしまったり、空室リスクが大きくなってしまいます。新築ならある程度の入居が見込めますし、最初の10年ほどはそこまで修繕費がかかりません。

 
しかも、築年が新しいほうが融資条件も有利になるため、利回りの高い築古中古よりも、利回りが1~2%低くても新築や築浅物件を選ぶ傾向があります。ただもちろんのこと、立地や供給状況、賃貸ニーズによって空室リスクの大きさが変わってきます。そのため、利回りだけに目を向けるのではなく、立地条件や築年数など、総合的に物件を見るようにしておきましょう。

利回りと相場を、不動産投資と太陽光発電投資で比較!

それでは、不動産投資における利回りと太陽光発電投資における利回りとを比較していきましょう。
 
・不動産投資
◯利回り
もちろん、立地条件や新築なのか中古なのか、一棟か区分所有なのかにもよりますが、だいたい平均して3~10%が平均利回りと言えるでしょう。

 
◯メリット
空室にならない限り、家賃収入として安定した収入が見込めます。また、個人で不動産を所有している場合、不動産によって発生した損失を給与所得などから差し引くことができ、税制上において収入が低く計算され、同じ収入であっても所得税や住民税を軽減することによって節税が可能です。また、景気などで物件価格が変動し、購入した価格よりも高い価格で売却することなもできるのが、不動産投資のメリットだと言えます。

 
◯デメリット
物件の管理の雑さなども近年の問題として上がってきているそうです。また、どうしても不動産の場合は空室リスクがつきまとってしまうため、入居者がいなければそのぶん家賃収入がなくなってしまいます。一棟所有していれば多少の空室は大丈夫ですが、区分所有の場合は家賃収入が0になってしまいます。また、物件の修繕コストなどもかかってしまったり、先ほどの利回りが高ければ高いほど良い物件だとは言い難いなど、良い物件の見極めが難しいこともあります。景気によって賃料が変わってしまったり、空室リスクなどといった不安要素がどうしても目立ってしまいます。

 
・太陽光発電投資

◯利回り
平均して8~12%ほどの利回りが見込めます。

 
◯メリット
太陽光発電投資の最大のメリットは、固定価格買取制度により、買取単価の固定が20年間続くことを国が保証している点です。もちろん、天候によって左右されますが不動産投資のような空室リスクはありません。毎月売電収入が入るため、安定した収入が保証されているのが大きなメリットのひとつです。また、最初のうちは手続きなどがありますが、一度連系してしまえば、そこから手間はほとんどかからないのもメリットでしょう。

 
◯デメリット
太陽光発電設備の売却市場が未整備というところが、デメリットとして挙げられます。また、天候によって左右されるなどもありますが、年々研究が進んでいるため、曇りの日でも変わらず発電できる技術なども発展してきています。災害などによる太陽光パネルの破損なども言われていますが、保険で回避できるため対策を立てることが可能です。

 


まとめ

不動産投資の利回りもそこまで低くはなく、他の投資に比べて家賃収入という形で安定して収入を手に入れることも可能です。しかし、太陽光発電の場合、入念なシミュレーションを行なった上で、空室というリスクもなく毎月の売電収入という形で収入を得ることが可能です。また、利回りも平均して10%程度と高く、まさにオススメの収益物件と言えるでしょう。

お電話でのお問い合わせ
03-6555-3771

メールでのお問い合わせ